DEAR 2nd 〜Life〜
「……あたし気付いたんです。
あたしが見たい夢は、キャバ嬢としてじゃないって事…」
「…」
「───雑誌の件もお断りします。
あたしじゃなくて、本気でキャバ嬢としてやっていこうとしている人に、どうかそのチャンスを回して下さい。」
あたしには相応しくない。
「……本当に…
本当にその道を選んで後悔はないな?
あとで後悔したって遅いんだぞ。」
「───ないです。
ないからこうして店長にお話しているんです。」
探るような店長の眼差しに、あたしはキッパリと迷いいなくそう返した。
後悔はない。
───…一切、ない。
「───…分かった。」
店長は一言だけそう告げると、残念そうな表情で部屋を後にした。
────キィ…。
あたしもまた緊張の糸がほぐれ、フゥッと息を吐きドアを開ける。
すると…
「───はろーん♪」
ドアを開けて一番に目に入ったのは
「美月っ…!」
壁にもたれ掛かり、腕組みしながら立っている美月の姿だった。
「えっ!!美月どうして…っ」
「いや、店長に雑誌の件で話そうと思ったらあんたと言い合ってたからさ。
入ろうにも入れずにいたの」
「…たっ、立ち聞きしてたの?」
「いんや、待ってただけ♪
それより……」
スッと壁から離れ、美月はあたしと向き合う形で立ち止まり…
「───とうとう辞めちゃうんだ?」
「………」
やっぱり立ち聞きしてたんじゃん……
まぁでも別に隠す必要もないかと次の瞬間には開き直り、
「…そうだよ。今週いっぱいで辞める事にした。」
店長に続き、美月にもポツリポツリと退店の旨を伝えた。
「……そう。」
美月はあたしの決意に意外にアッサリしていて、二つ返事。
本気でこの世界を生き抜いている彼女にしたら、あたしの退店なんてどうでもいい話なのかと思わないでもない。
……でも。
「……美月、ありがとね。
こんな貴重な体験するキッカケくれた美月には、本当に感謝してる。」
これだけは、どうしても伝えておきたくて。