DEAR 2nd 〜Life〜



走り出した車の窓から見える景色に目を走らせながら、






「大学までどれくらい時間掛かるの?」






軽く歌を歌いながら運転している朝岡さんに尋ねると、






「せやなぁ、大体高速使って1時間半もあれば余裕で着くと思うで。




早起きしてくれてありがとう♪」






「──えっ、全然……」







…………って………







ん────…?







…………そう軽く返事をした後、ある疑問が降ってきた。







…………ってことは、

朝岡さん………。







既に1時間半掛けてここまで運転して来てくれてるんじゃ………?






……あたしを迎えに来る為に───…?








「──…ちょっと待って!

朝岡さんの方が、あたしよりずっと早起きしてるじゃん!!!」






「いやいや別に俺はどーでもいいの。」





「だって……!」






往復させたらすごい時間と距離運転させちゃうじゃん…!




この後ライブもあるんでしょ?





その前に疲れさせちゃうじゃん…!







「──…ごめんね…。」






朝岡さんの負担、何にも考えずに迎えに来てもらうなんて返事しちゃって……。




───バカだ………。








──────…ポン…。





ふわりと、微かに頭上に霞める朝岡さんの香水の匂いに顔を上げると








「────…俺がやりたくてやったことやから。





どうしても、彩と一緒に行きたかった。」







「……朝岡さん……」







朝岡さんは前を向いて運転していたから、こっちを向いてはいなかったけれど。





撫でられた朝岡さんの大きな手のひらの温もりと、





何故か心を落ち着かせる香りが優しさを滲み出してくれたから







「────…ありがとう……」






優しさが伝染して、口からスラリと素直に気持ちが出ていって







「───…いーえ♪」






それを聞いた朝岡さんも、優しさが伝染したのか笑っていたよね。





視線は合っていなくても。





あの時、確かにそこに優しさが存在していたよね──…。


< 73 / 475 >

この作品をシェア

pagetop