DEAR 2nd 〜Life〜
走り出した車の窓から見える景色に目を走らせながら、
「大学までどれくらい時間掛かるの?」
軽く歌を歌いながら運転している朝岡さんに尋ねると、
「せやなぁ、大体高速使って1時間半もあれば余裕で着くと思うで。
早起きしてくれてありがとう♪」
「──えっ、全然……」
…………って………
ん────…?
…………そう軽く返事をした後、ある疑問が降ってきた。
…………ってことは、
朝岡さん………。
既に1時間半掛けてここまで運転して来てくれてるんじゃ………?
……あたしを迎えに来る為に───…?
「──…ちょっと待って!
朝岡さんの方が、あたしよりずっと早起きしてるじゃん!!!」
「いやいや別に俺はどーでもいいの。」
「だって……!」
往復させたらすごい時間と距離運転させちゃうじゃん…!
この後ライブもあるんでしょ?
その前に疲れさせちゃうじゃん…!
「──…ごめんね…。」
朝岡さんの負担、何にも考えずに迎えに来てもらうなんて返事しちゃって……。
───バカだ………。
──────…ポン…。
ふわりと、微かに頭上に霞める朝岡さんの香水の匂いに顔を上げると
「────…俺がやりたくてやったことやから。
どうしても、彩と一緒に行きたかった。」
「……朝岡さん……」
朝岡さんは前を向いて運転していたから、こっちを向いてはいなかったけれど。
撫でられた朝岡さんの大きな手のひらの温もりと、
何故か心を落ち着かせる香りが優しさを滲み出してくれたから
「────…ありがとう……」
優しさが伝染して、口からスラリと素直に気持ちが出ていって
「───…いーえ♪」
それを聞いた朝岡さんも、優しさが伝染したのか笑っていたよね。
視線は合っていなくても。
あの時、確かにそこに優しさが存在していたよね──…。