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「あの、本当にやめてっ」

「「あ」」

後ろで亮くんと流星くんが声を揃えて『あ』とか言うから振り向くと、『ダメだこりゃ』みたいな顔をして2人ともわたしから目を逸らす。

「え?なに……って、ふぎゃっ!?んんーー!いっったぁぁい!」

「ダハハ!相も変わらず隙だらけだなぁ?オメェは」

あーーもう!!天上からタライが降ってくるなんて誰が予想できるの!?なんでもありな世界だけど、こんなのデタラメすぎないかな!?だいたい先生も先生で仕掛けてくる罠幼稚すぎない?タライて、信じらんないわ!痛いし!ていうか、亮くんも流星くんも言ってくれない!?『タライ落ちてくるよー』って言ってよ、ちゃんと!……って落ち着きなよわたし。カッカしすぎだよこれは。

「はぁ……なんかもう既に疲労感ハンパない」

「修行が足りねぇんだよオメェわ。まずは氷室のボンボンにシゴかれろ」

「嫌ですよ、氷室先輩だけは」

氷室家はこの界隈じゃ超有名で知らない人なんていない。代々SP家系で氷室家は優秀なSPを次々排出してるからこの業界の頂点と言っても過言ではない。だからもちろん氷室先輩も有名だし、その知名度に実力もしっかり伴ってて本来めちゃくちゃすごい人なのに……あの性格のせいで偉大さが半減してる、わたしの中ではね。あの人性格以外は本当にパーフェクトなんだけど。

「ククッ。露骨に嫌そうな顔すんなよ~、鳴海ィ」

先生がそう言った後チラッと亮くんのほうを見てみると、これまた露骨に目を逸らされた。わたしは負けじと視線を送り続けて、亮くんはそれを感じ取ってるのか本を盾にするという卑怯な手を使った。わたしはブラックホールよりも真っ黒な瞳で亮くんを見ていると、教科書の角でコツンとわたしの頭頂部を叩いてきた先生。
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