その手で触れて、そして覚えて。

それから業務を開始し、わたしは新しいオリエンテーションの資料を作っていた。

すると、企画課の主任である相馬さんが「四季〜。」と声を掛けて来た。

「あ、はい。」
「Y支店の企画課の主任って、誰だったか覚えてるか?」
「あー、確か内村さんじゃなかったでしたっけ?」

わたしはそう言いながら、総務課で保管しているファイルが入った鍵付き棚から、他支店の名簿を取り出し、Y支店の企画課の主任を確認した。

「あ、やっぱり内村さんですね。」
「内村さんな。了解、サンキュー!」

そう言って、相馬さんは企画課の方へ戻って行った。

わたしは名簿が入っているファイルを棚にしまい、自分のデスクに戻ろうとすると、ふと街風くんと目が合った。

しかし、街風くんはすぐに目を逸らし、パソコンに向かった。

その反応に、何??と思いながらわたしも自分のデスクに戻り、資料作成の作業を再開した。

お昼になると、わたしは疲れから一つ溜め息をつき、お昼休憩どうしようかなぁ〜と考えていた。

外に食べに行くのは面倒だから、社食にしようかな。

そう思い、わたしは席を立つと、みんなより少し遅めに食堂へ向かった。

すると、後ろから腕を掴まれ、驚き振り返る。

わたしの腕を掴み、後ろに立っていたのは街風くんだった。

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