その手で触れて、そして覚えて。
「はい、乾きましたよ!」
「ありがとう。」
わたしの髪を乾かし終えると、街風くんはわたしの髪に触れ、「サラサラ。」と呟いた。
「ねぇ、街風くんは、何でそんなに優しいの?」
「えっ?」
「わたし、、、今まで、男の人にこんなに優しくされたことがないというか、尽くされたことないというか、、、」
わたしがそう言うと、街風くんはわたしの手に自分の手を重ね「それは、今まで七花主任の男運が悪かっただけです。でも、俺はその人たちとは違います。愛する人には、喜んでもらいたいし、笑顔で居てほしいから、、、だから、大切にしたいって思うのは当然のことじゃないですか。」と言った。
街風くんは重ねた手を握り締めると、自分の方へ引き寄せ、わたしを抱き締めた。
そして、「二人の時は、七花さんって呼んでいいですか?」と言った。
わたしは照れながらも「うん。」と頷き、街風くんの背中に腕を回しながら「じゃあ、わたしは颯生くんって呼ぼうかな。」と言った。
すると、颯生くんは驚くようにわたしの顔を見て、「もう一度、呼んでくれませんか?」と言った。
「え、、、颯生くん。」
「もう一回。」
「颯生くん。」
そう呼んだと同時に、颯生くんはわたしと唇を重ね、最初の優しいキスとは違い、深く吸い付くような長い口付けをして、それからそっと唇を離すと、お互いの吐息が静かな部屋に響いて聞こえた。