契約の愛で結ばれたのは、まさかの敏腕CEO!?~独占欲滾るスパダリは極上溺愛で囲い離さない~
「一宿一飯の恩義って言うのに、私は何泊もさせてもらうんだから!」

 そう思えばますます気合が入る。

 せめて自分の使ったところは綺麗にしたい。
 保管場所を教えてもらった掃除道具を使って、借りた部屋や風呂やトイレ、キッチンを磨き上げていく。



「よし、こんなものかな」

 ひと通り掃除を終えて、茉莉花は満足そうに呟いた。
 しっかり身体を動かしたおかげで、普段の朝よりも身体が軽い。

(まだ時間も早いし、もう少しだけ何かしようかしら)

 やる気を持て余した茉莉花は掃除機を手に取る。

「待てよ、掃除機をかけたら、颯馬さんを起こしてしまうかも……それはマズイ」

 やっぱり止めておこうと、掃除機から手を離すと背後から声がした。

「何がマズイんですか?」
「わぁっ!! そ、颯馬さん。おはようございます」

 茉莉花の発した奇声が面白かったのか、颯馬は喉を鳴らして笑っている。

「おはようございます。それで何か問題でも?」
「いいえ、何も! 掃除機をかけようか悩んでいたんです。煩くしてしまうと申し訳ないし……」

 恥ずかしさのあまり、掃除機を持ったり離したりと意味不明な行動をしながら俯いた。

 そんな茉莉花の様子を見た颯馬は、感心したように口を開いた。

「さっそく掃除をしてくださったんですね。ありがとうございます」
「居候させていただくお礼ですから……。他にやってほしい場所があればドシドシおっしゃってくださいね」
「ははは、十分ですよ。そろそろ朝食にしましょう」
「はい」


 今日の朝食も颯馬とともに食べる。
 茉莉花自身は気づいていなかったが、昨日よりものんびりと味わって食べることが出来ていた。


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