早乙女くんがヒロイン!?


「なんだ、まだ付き合ってないのか」

「まだとかそういう事じゃねぇ!」

「海麗は人相も口も悪いけど、実はすごく良い子だから仲良くしてあげてね」

「は、はいっ」

「だぁ!これ以上余計な事言うなよ!ドーナツ何ともないなら帰る!姫野、行こう」

「うんっ…ありがとうございました」


俺はドーナツを抱えて姫野と動物病院を後にした。


「……海麗君?手、大丈夫?」

「まぁ……いつものことだから…っつーか、怪我ないなら歩けよ」


ドーナツは俺が抱えてると安定で俺の手を噛んでいて、車通りの少ない道に出たタイミングでドーナツを降ろした。


姫野の家の場所の話が終わると、何を話せばいいかわからず黙って歩く。


あの獣医があんな事言うから意識してしまう…こんなキラキラした美少女女子高生の姫野が俺と歩いてる事自体奇跡みたいなもんだ。


姫野の家は結構近くにあり、どう話せばいいか迷ってるうちに家の前に着いた。


「送ってくれてありがとう…それに今日は色々と…」

「いや、たまたまだから…」

「あっ…あのっ…連絡先……交換しない?」


姫野はそう言ってスマホを取り出した。


「は…?俺と?」

「うん…そのっ…ほら!このパーカー返すの連絡したり…えっと…ドーナツちゃんの写真とか送って欲しいなって…駄目かな?」

「駄目じゃねぇよ!俺ので良ければ…」


俺は急いでスマホを取りだした。
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