早乙女くんがヒロイン!?


家族以外の異性と歩くこと自体小学生以来で姫野とただ歩いてるだけで心臓がバクバクする…


「そうだ、お名前何て言うのー?」

「名前!?名前…?名前は海麗で…早乙女海麗だ」

「あ、えっと…わんちゃんの…」

「えアッ?そ、そうだよな?こいつはドーナツという名前で…メスです」


うわ…やっちまった…くそ恥ずかしい…


「ドーナツちゃんっていうんだぁ!可愛い!早乙女君の下の名前海麗《カイリ》君って言うんだね、カッコイイ名前だねぇ」

「そ、そうか…?」

「どういう漢字で書くの?」

「海に綺麗の麗で…海麗…」

「えぇ!お洒落な名前でいいね!海麗君って…名前で呼んで良いかな?」


姫野に名前を呼ばれると胸の奥がギュッとなる…


俺が名乗ってしまったから気を遣わせてしまった。

「別に良いけど…」

「私も下の名前で…美羽って呼んで良いからねっ」

「……あぁ」

呼んでも良いと言われても女子の名前呼ぶとか俺にはハードルが高過ぎるんだが…


とりあえず姫野はめちゃくちゃ可愛い上に優しかった。
俺の事全然怖がらないし…


動物病院に着いて、馴染みの獣医に診てもらう。


「ドーナツちゃんは何ともないよ」

「エ?本当かよ!?大人の男に蹴られたんだぞ?」

「うーん、元々丈夫なのもあるけど。断定は出来ないけど恐らくドーナツちゃん反射神経すごく良いから蹴られると思った瞬間に避けたんじゃないかな?骨も折れてないし内臓も元気だよ。一応2、3日様子見て何かあったらまた診せにおいで」

「はぁ…ドーナツちゃん良かったぁ」

「ふふ…早乙女君もこんな可愛い彼女連れて来るようになるなんてな」

「へあっ!?か…彼女っ…!?」

「馬鹿野郎!彼女じゃねぇよ!勘違いしてんじゃねぇ!クラスメートで今日初対面だから!」

この獣医は父さんの高校生時代からの友人で子供の頃からの顔馴染みだから俺を普通の高校生として見てくれる一人だ。

しかし勝手に姫野を彼女とか決めつけて﹨…デリカシーが無さすぎるだろ…
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