俺様同期の執着愛
 飲み会のあとから俺はやたら綾芽を意識するようになった。
 彼女は派手めな女性社員たちと違ってわりと控えめだった。髪も染めてないし、ピアスもしてないし、ネイルもしてない。
 服装は無難なベージュの服に膝下までのフレアスカート。靴はヒールの高くないやつ。

 清楚といえば聞こえはいいが、実はそういうわけではなかった。俺と一緒で単に外見にこだわらないだけだ。

 なんとかして綾芽と近づきたかったが、彼女は見えない壁を作っていた。とにかく男が近づくと逃げてしまうのだ。
 どうやら大学時代に付き合った奴に裏切られたことがトラウマらしい。

 だから俺は男としてではなく、気楽な同僚として近づくことにした。

 半年もしないうちにお互い気さくに挨拶するようになり、飲み会ではよく話すようになった。
 綾芽は俺がまったく男の顔をしていないことに安心したようで、いろいろと自分のことをぶちまけてくれた。

 休日は部屋着のまま一歩も外に出ないとか、出るとしても近所のコンビニにすっぴんで行くくらいとか、実は酒が好きで家でひとりで飲んでいるとか。

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