俺様同期の執着愛
 私は彼と目線を合わせ、毅然とした態度で告げる。

「また私に嘘をつくんですか? そういうの、もうやめてください」
「嘘じゃないと言っているだろう。だから、仕事に私情を挟みたくないのに、こんなところで君と話しているんじゃないか」
「では聞きますが、本気で私を愛しているなら、なぜ一度も連絡してこなかったんですか?」

 私が別れを切り出してから、彼は一度も連絡してこなかった。
 されても困るけど、一度もないというのは彼にとって私はその程度の女だったということだ。
 もちろん、連絡が来てもよりを戻すつもりなんてなかったけれど。

「なんだ、そうか。君は俺からの連絡を待っていたのか。まだ俺に愛情があるんだね?」

 意味がわからず、私は少しのあいだ放心状態になった。
 しかし恭一さんは穏やかに微笑んでいる。
 その優しそうな笑顔が、今は少し気持ち悪く感じてしまう。

「あの……言葉、通じてます?」

 私が真顔で返すからか、彼はものすごく困惑した顔で大きなため息をついた。

「どうしたの? 以前の君はもう少し素直だったよね? 俺との別れがそんなに悲しかったのか?」

 や、やばい……。
 この人、こんなに自己陶酔が激しい人だったんだ。
 ううん、前からその片鱗はあったはずだ。
 私が盲目だっただけ。

< 126 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop