俺様同期の執着愛
「私はもうあなたに愛情はありませんし、あなたも私に愛情なんてないでしょう? 別の子に薔薇を渡したという話を聞きました。次の人にはちゃんとお子さんがいることを前もって伝えたほうがいいと思います」

 私と同じ思いをする女性がこれ以上増えないように、淡々とそう言った。
 すると彼はとんでもない思い違いをしたようだ。

「それは、嫉妬かい?」
「は……?」
「わかるよ。君は素直でピュアだから、傷ついたんだね。でも、他の子はやっぱり俺には合わないんだ。君だけだよ。俺を男らしくしてくれるのは」

 や、や、やばあっ……。
 これはもう、恋は盲目を超えて私の思考がおかしかったんじゃないかというくらい、やばい男だった。

 私はいったい彼の何を見ていたの?

 どう返そうか悩んで、私はとっさに別の話題を持ち出してしまった。

「そういえば、お子さんの体調は大丈夫ですか?」

 すると彼は目を見開いて驚愕の表情を向けたあと、遠慮がちに目をそらして答えた。

「……ああ。問題ない。元妻にも、もう来なくていいと言われたよ。だから、今はフリーの身なんだ。安心していい」

 だめだ。まともな会話ができない。
 もうやめよう。遠まわしの言葉も効果ない。
 本心をはっきりとぶつけるしかないと思った。

「私、好きな人がいるんです」

 そう言うと、彼は目を見開いて呆然とした。

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