俺様同期の執着愛
 私の疑問を別の子が口にする。

「なんで柚葵がそんなこと知ってるの?」
「知人が武本さんとマッチングしたって言ってた」
「……えー、そうなんだ」
「別にアプリ自体は悪いと思わねぇけどさ」

 柚葵は肩をすくめ、あくまで何でもないような顔をしている。
 彼女たちは顔を見合わせて、気まずそうに眉をひそめた。

「自分から追いかけてるくせに、追いかけられて困ってるって……ちょっと自意識過剰だよね」
「そういえば、他の子のことも追いかけてたって聞いたし」

 それきり、彼女たちは小さく笑って話題を切り上げた。
 ランチタイムが終わり、オフィスに戻ろうとしたとき、柚葵がふいに私の横へ並んだ。

「噂なんか気にするな。すぐ消える」
「……うん」

 柚葵は私の肩を軽くぽんっと叩き、いたずらっぽい笑みを浮かべる。

「なんなら、俺と噂を流してみる?」
「えっ!?」

 一瞬、鼓動が跳ね上がる。
 けれど彼はすぐに手を振って、笑いながら言い足した。

「なんてな」

 そう言って、私の前をスタスタと歩いていってしまった。
 私は思わず足を止め、胸を押さえる。
 もし柚葵との噂だったらそんなに嫌じゃないかも、なんて私は思ってしまう。
 だけど、柚葵は困るでしょう?

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