俺様同期の執着愛
【柚葵のターン】

 綾芽はどこへ行った?

 宴会場で先輩や同僚たちに絡まれていたら、綾芽のとなりに他部署の男が接近していた。
 許しがたい。邪魔したい。
 どうにかこの場を抜けようとしたら、先輩に阻まれた。

「加賀美、お前また〇▽商事の新規案件取ってきたらしいな」
「やるなあ、柚~」

 話が頭に入ってこねえええっ!!!

 とりあえず愛想笑いだけしておく。
 そして綾芽のところへ目を向けると、なぜかいなくなっていた。 
 あの男もいない!
 まずい!!

「ちょっと用足してきていいっすか?」

 真顔でそう言うと、酔っ払い(先輩)たちは豪快に笑った。

「なんだなんだ、飲みすぎたのかあ?」
「ゆずー、待ってるよー」

 待たなくていいよ。
 俺はそれどころじゃねーんだよ。

 綾芽、綾芽――
 綾芽はどこだ!?

 宴会場を出てトイレの方向まで廊下を突っ切ってロビーの近くまで行ったところで、がしっと腕を掴まれた。
 綾芽かと思って振り向くと、未空さんだった。

「えっ……何か?」

 未空さんはその顔に少々怒りを滲ませている。
 この顔、俺が一番見たくないやつだ。

< 148 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop