俺様同期の執着愛
「やっぱり男ってさ、結婚したら大きな責任を背負うわけだし、堂々としていないとな」
「今は男女共働きも多いし、どちらも責任を持ってお互いに尊重し合えるほうがいいと思いますね」
「それはもちろんそうだ。けどね、やっぱり男は違うんだよ。ほら、女性は子どもができたら社会からいったん離れるだろう? 責任の重さで言えばやっぱり男のほうが負担があるからね。あ、別に差別発言してるわけじゃないよ」

 なんだろう、もやっとする。
 そりゃ子どもができたらどうしてもそうなるけど、この人の発言の裏には無意識に女を見下している気がしてならない。

 恭一さんも責任感が強いと自分で言いながら結構自己中だったなあ。
 ふとそのことを思い出すと、なんだか空虚な気持ちになってきた。

「すみません、ちょっとお手洗いに。失礼しますね」

 私がおもむろに立ち上がると、山本さんは「ああ、早く戻ってきてね」と言った。

 宴会場から廊下へ出ると、もわっとした空気から解放された気分になった。
 トイレを済ませてからロビーへ向かい、庭園のほうへ目をやると、雪が降っていた。
 宴会場へ戻る気にはなれない。

「お風呂、行こ」

 温泉入ってゆっくりしよう。
 そう思って自分の部屋へ向かう途中、再び柚葵の元カノさんを見かけてしまった。
 とっさに柱の陰に隠れてしまう。
 だって、会いたくないんだもの。いろんな意味で。

 そろりと覗いてみると、元カノさんと話している相手は……柚葵だった。

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