俺様同期の執着愛
 未空さんは目を伏せて頬を赤らめながら言葉を絞り出す。

「もういいわ……あなたと付き合った私の落ち度だわ」

 彼女はふっと笑みを浮かべ、強気で言い放つ。

「柚くんよりもっといいオトコ見つけてやるんだから!」
「頑張ってください」
「くううっ、絶対幸せになってやる!」
「応援してますよ」

 俺が満面の笑みを向けたら、未空さんは思いきり顔を背けた。
 正直、安堵した。
 これ以上詰め寄られたらどうしようかと思っていた。
 ああ、でも、一つだけ伝えておいたほうがいいかもしれない。

「未空さん、あまり男を財布代わりにしないでくださいね」
「えっ……」
「幸せになるためのアドバイスです」
「何なのよ、もう! 失礼すぎるわよ!」

 未空さんは真っ赤な顔で逃げるように走り去った。
 どっと疲れが押し寄せて肩の力が抜ける。

 素直に人の意見に耳を傾ける人ではないが、知っていれば気をつけるかもしれないし、今後のためにもな。

「お人良しか、俺」

 頭をかきながら自分に突っ込んで目線を上げると、視線の先、少し遠いところ、柱の陰に綾芽の姿を捉えた。
 俺の視線に気づいた綾芽がこちらへ向かってくる。

 いつから見られていた――?

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