俺様同期の執着愛
【綾芽のターン】
柚葵と元カノさんのバトルがまるでテレビドラマみたいでドキドキしながら見入ってしまった。
私は家政婦がこっそり覗き見している姿を想像し、それを真似していた。
やがて元カノさんは柚葵に強い口調で言い放ち、逃げるように去っていった。
柚葵がしばらくその後ろ姿を見送って、ゆっくりとこちらへ顔を向ける。
目がばっちり合ってしまった。
やばっ……ぜんぜん家政婦らしくなく、前のめりになっていた。
とりあえず、声をかける。
「大丈夫? 柚葵」
「修羅場ってた」
「うん、そんな気がした」
「どこまで聞いた?」
訊かれて素直に答える。
「付き合ったの1カ月と、財布代わりってあたりから」
「そっか」
柚葵が少し伏し目がちになる。
当たり前だけど盗み聞きはよくないよね。
「ごめんね。偶然、見ちゃって……部屋に戻るにも、こっちのエレベーター使うから」
「いいよ。変なとこ見せて悪かったな」
「そんなことないよ」
なぜだか、気まずい。
なんか、気の利いた言葉はないだろうかと思考をめぐらせる。
「ねえ、柚葵。散歩でもしない? 頭冷やすといいよ」
「ああ、そうだな」
柚葵が少し笑った。
そのとき、私たちの背後から別の人が声をかけてきた。
「綾芽ちゃん、戻ってこないから迎えに来たよ」
どきりとした。
山本さんだった。けれど、なんで名前呼びしているの?
私、許可してないよ――
「次から次へとめんどくせーな」
柚葵がぼそりと舌打ちするのを、真横で聞いてしまった。
柚葵と元カノさんのバトルがまるでテレビドラマみたいでドキドキしながら見入ってしまった。
私は家政婦がこっそり覗き見している姿を想像し、それを真似していた。
やがて元カノさんは柚葵に強い口調で言い放ち、逃げるように去っていった。
柚葵がしばらくその後ろ姿を見送って、ゆっくりとこちらへ顔を向ける。
目がばっちり合ってしまった。
やばっ……ぜんぜん家政婦らしくなく、前のめりになっていた。
とりあえず、声をかける。
「大丈夫? 柚葵」
「修羅場ってた」
「うん、そんな気がした」
「どこまで聞いた?」
訊かれて素直に答える。
「付き合ったの1カ月と、財布代わりってあたりから」
「そっか」
柚葵が少し伏し目がちになる。
当たり前だけど盗み聞きはよくないよね。
「ごめんね。偶然、見ちゃって……部屋に戻るにも、こっちのエレベーター使うから」
「いいよ。変なとこ見せて悪かったな」
「そんなことないよ」
なぜだか、気まずい。
なんか、気の利いた言葉はないだろうかと思考をめぐらせる。
「ねえ、柚葵。散歩でもしない? 頭冷やすといいよ」
「ああ、そうだな」
柚葵が少し笑った。
そのとき、私たちの背後から別の人が声をかけてきた。
「綾芽ちゃん、戻ってこないから迎えに来たよ」
どきりとした。
山本さんだった。けれど、なんで名前呼びしているの?
私、許可してないよ――
「次から次へとめんどくせーな」
柚葵がぼそりと舌打ちするのを、真横で聞いてしまった。