俺様同期の執着愛
【柚葵のターン】

 おいおいおい、聞いたか?
 恋人と過ごすクリスマスが初めてだって。
 それが俺なのかよ最高かよ!!

「大袈裟だなあ、綾芽は。これからは何度でも俺と過ごせばいいよ」

 これから一生な。

 そんな思いを込めながら綾芽の頭を撫でると、彼女は満面の笑みになった。

「うん。そうする」

 綾芽、素直になったよな。
 俺の片想いのときは壁があったし、どことなく遠慮もしていたが、今はもう本能のままさらけ出している気がする。
 ということで、俺も本能に従って動く。

「柚葵……?」

 そっと綾芽を抱きしめた。
 髪を撫でてさりげなく頬にキスをする。
 それも無意識というか、本当にごく自然に体が勝手に動いた。

「ゆ、柚葵……まず、ごはん食べよ」
「やだ」
「え? だって冷めちゃう」
「俺こっちのが食べたい。もう我慢できない」
「それは……急がなくてもゆっくりできるから」

 なんでこいつ、こんな冷静なんだろう。
 俺もう、待てが長すぎて爆発しそうになっているのに。

< 180 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop