俺様同期の執着愛
【綾芽のターン】

 ちょっと、なんでいきなりこんな……っ!
 いくらなんでも、急すぎるよ。

「ねえ、柚葵。せっかく料理を作ったのに、冷めちゃうよ」
「冷めても美味いから」
「なんであんたがわかるのよ!」
「俺、綾芽の作ったものぜんぶ好き。綾芽の持ってるものも好き。綾芽そのものも好き」
「わかった……わかったから、落ち着いて!」

 私が思いきり離れようとすると、柚葵は真顔になった。
 半眼で私を冷たく見つめるその目にぞくりとする。

 やばっ……もしかして怒らせた?

「……わかったよ。お前のこと大切だから、俺は耐える。今は耐える」
「そんな大袈裟な……今夜は一緒にいられるんだから」
「ああ、そうだな。俺はずっと綾芽への想いが振り切れそうになるのをずっと耐えてきたんだ。修行僧かよ。そろそろ仙人に到達しそうだ」
「例えが……」
「綾芽、お前は知らないだろう?」
「な、何を……?」

 柚葵は真顔で冷たく私を見つめて告げる。

「溜まりに溜まった欲求が爆発したときの男がどうなるか」
「ちっ、ちょっとそんな、怖いこと言わないでよ!」

 なんでこんなロマンチックなはずのクリスマスイブにそんな物騒なことを言うのーっ!!

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