俺様同期の執着愛
「じゃ、次は風呂」
「自分で入れるって」
「だめだめ。おとなしく俺に洗わせとけ」
「う……だって柚葵、いろいろ……触るんだもん」
「隅々まで丁寧に洗っているんだよ!」

 そんなことわかってる。
 それはもう彼はすごく丁寧に、私の体を洗ってくれる。
 そんなとこまで丁寧にしなくていいのにって、何度思ったことか。

 だけど、彼は絶対にそれ以上のことはしてこなかった。
 私の怪我が完全に治るまで、私たちは添い寝しかしなかった。
 いや、正確には彼は触ったりキスをしたり、ハグをしたりするけれど、それ以上のことはしない。
 そのせいで、私のほうがそろそろ我慢の限界を迎えていた。

「ねえ、そろそろ、しよ?」

 寝る前に柚葵の袖を掴んでおずおずと申し出てみたら、彼は目を丸くして固まった。
 あれ、まずかったかな。タイミング失敗した?

 急に恥ずかしくなって彼の袖から手を放したら、急にがっちり腕を掴まれてしまった。

「柚葵……?」
「お前なんで俺の理性を破壊しに来てんだよ。めちゃくちゃ耐えて耐えて耐え忍んでいるのに!」
「え? ごめん」
「もういい。許しが出たから堂々としてやる」
「え?」

 柚葵がひょいっと私を抱きかかえた。
 そして、そのまま寝室へ連れ込まれる。

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