俺様同期の執着愛
【綾芽のターン】

 教えてやるって、行為を教えてくれるってこと?
 それって、体だけの関係になろうって言われてるんだよね?
 それはつまり……。

「セフレになれと?」
「言い方!」
「だってそうでしょ」
「あー、だから! お前がトラウマみたいになってるから、それを治してやりたいって俺の気持ち。仲良しの同僚としての!」
「仲良しの同僚ってそこまでしてくれるの?」
「綾は俺と相性のいい同僚だからな」

 この場合の相性って趣味のことじゃなくて体の関係のことだよね。
 確かに相性はいいのかもしれないけど、付き合ってもないのにこういうのいいのかな? だけど体だけの関係の人だっているし、大人ならこういうのフツーだったりするのかな。

「無理強いはしない。綾が嫌なら別にいい」

 吐息がかかるほどの距離で真剣な顔を向けられてそんなことを言われたら、平常心で答えられるわけがないよ。

「い、やじゃ、ないけど……いいのかな?」
「いいよ。軽い気持ちでいいんだよ。んな真剣に考えると重くなるだろ」
「そっか。重いよね」

 柚葵はきっといろんな女性と関係を持ってきたんだ。だから軽い気持ちで体の関係になれるんだ。だけど彼はきちんと避妊してくれるし、いろいろ教えてくれるっていうから、私としてはありがたい話なのかもしれない。
 そんなふうに思ってしまった。

 私たちは割り切った大人の関係を持つことになったのだ。けれど、この先柚葵との関係は私の予想をはるかに超えるようなものになっていく。

< 35 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop