俺様同期の執着愛
 私は目を閉じて、キスを受け入れようとした。それも無意識だった。だけど、柚葵はそうしなかった。
 彼は私の頬に舌を這わせながら、私の耳朶を甘噛みした。
 私が思わず艶のある声を洩らすと、彼は私の耳もとでささやくように言った。

「綾はこうするといい声を出す」
「や、やめてよ……」

 うそ。やめてほしくない。
 こんな気持ちいい感覚ずっと続いてほしい。だけどこれ以上されたらおかしくなるかもしれない。

「やめていいの?」
「っ……!」

 いじわる。
 目線を上に向けると柚葵がいたずらに笑っている。その表情がすごく妖艶で、私の体はぞくぞくと快感に震えてしまう。

「後ろ向いて」
「え?」

 柚葵は私をくるりと反転させて壁に向けさせると背後から覆うようにぴったり抱きしめた。こんな体勢で何をするのかと思ったら彼は私の背後から耳もとでぼそりと言った。

「立ったままは初めて?」
「なっ……」
「初めてか。じゃあ、体験してみないとな」
「バカなこと……」
「フツーだよ、綾チャン」

 柚葵のいたずらっぽい声がやたら頭に響きわたり、たったそれだけで私は陥落した。
 ああ、柚葵は女を堕とす才能抜群だよ。いったいどれだけ遊んできたんだか。
 でも、今はそんなことどうでもよかった。

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