俺様同期の執着愛
 休日なので客が多く、賑わっている。カップルはブランドの店へ流れていき、家族連れはフードコートへ向かっている。
 私たちは客であふれ返るフードコートを通り過ぎてあてもなくぶらぶらし、なぜか家具コーナーで足を止めた。

「もうちょっと部屋が広かったらテレビボード買うんだけどなー」

 柚葵が足を止めたのは壁面収納テレビボードの前だ。
 テレビのまわりに棚があり、本とかDVDとか観葉植物なんかも置ける大きなテレビボード。

「ひとり暮らしなのに、いる?」
「関係ないね。テレビも大画面にしたい。75インチはほしいなー」
「大きすぎるでしょ。あのマンションには入らないよ」
「やっぱり家買うかな」
「ひとりなのに?」

 いちいちツッコミをしていたら柚葵が不貞腐れた顔を私に向けた。

「独身で家を買って何が悪い?」
「いや、悪くないけど。柚葵の自由だし」

 うっかり口出ししちゃったけど、よく考えたら私には関係ないことだよね。うるさいって思われたかな?

「ごめん。私には関係な……」
「お前だったらどうする?」
「えっ?」
「広い家に住んだら、リビングをどうしたい?」

 柚葵が真面目な顔して私に問いかけた。

 どうして私に訊くんだろ?

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