俺様同期の執着愛
フードコートの前を通りかかったら結構混雑していた。主に家族連れだ。開いている席を探している途中、一組の家族に目が留まった。母親が子どもの食事を手伝っていて、自分はまったく食事に手をつけていないようだった。そのあいだに旦那は食べ終わっていてスマホをつついている。しばらくしたら旦那がスマホから顔を上げて奥さんにぼやいた。
「まだ食べてないの? 早くしろよな」
そうしたら奥さんが眉毛を吊り上げて声を荒らげた。
「見てわからない? あたしひと口も食べてないのよ」
「あーはいはい。さっさとして」
「子どもたち見ててよ」
「それはお前の役目だろ」
旦那はふたたびスマホに目を落としてゲームを始めたようだった。
奥さんはまるで憎いものを見つめるような眼差しを旦那に向けたあと、諦めたように冷めきったうどんをすすった。
ふと、先輩の言っていたことが頭をよぎる。
『女って結婚したら変わるんだよ。特に子どもができたら鬼みたいになるんだ。女が女らしいのは結婚前だけだぜ』
あのときはよくわからなかったが、こういうのの積み重ねでは?
などと今思ってしまった。
「反面教師だ。気をつけよう」
「え? 何か言った?」
「いや、何も。混んでるから別の店行こうぜ」
俺はその家族に背を向けると、綾芽を連れてフードコートを離れた。
「まだ食べてないの? 早くしろよな」
そうしたら奥さんが眉毛を吊り上げて声を荒らげた。
「見てわからない? あたしひと口も食べてないのよ」
「あーはいはい。さっさとして」
「子どもたち見ててよ」
「それはお前の役目だろ」
旦那はふたたびスマホに目を落としてゲームを始めたようだった。
奥さんはまるで憎いものを見つめるような眼差しを旦那に向けたあと、諦めたように冷めきったうどんをすすった。
ふと、先輩の言っていたことが頭をよぎる。
『女って結婚したら変わるんだよ。特に子どもができたら鬼みたいになるんだ。女が女らしいのは結婚前だけだぜ』
あのときはよくわからなかったが、こういうのの積み重ねでは?
などと今思ってしまった。
「反面教師だ。気をつけよう」
「え? 何か言った?」
「いや、何も。混んでるから別の店行こうぜ」
俺はその家族に背を向けると、綾芽を連れてフードコートを離れた。