俺様同期の執着愛
『来るな』

 見舞いに行くと言って返ってきた言葉がそれだ。

『なんで?』
『かっこわりーから』
『そんなことないよ』

 弱っている姿を他人に見られるのが嫌なのだろうか。

『食べたいものある?』
『みかんゼリー』

 速攻で返ってきたメッセージに私は思わず笑ってしまった。
 うっかり声が出そうになり、慌てて口をつぐむ。
 周囲には聞こえていないはずだ。

 私は定時で仕事を切り上げて、スーパーに立ち寄り、卵と野菜とみかんゼリーと栄養ドリンクを買った。

 柚葵のマンションに着いてインターフォンを鳴らす。
 それほど経たないうちにシャツとジャージ姿の柚葵が顔を出した。
 ほんのり赤い頬をして眠そうにする柚葵を見て、本当に体調が悪いんだなって思った。
 正直、柚葵が寝込むなんてここに来るまで本当に信じられなかったから。

「大丈夫?」
「なんとか生きてる」
「食材と、みかんゼリーを……」
「綾チャン、女神だよ君は。後光が見えるよ」
「それ、熱が上がっているんだよ」

 いつもの冗談が冗談に聞こえないほど、柚葵は参っているようだった。

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