好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
小糸ちゃんはというと一応生き残ってる。



ボールをキャッチすることもなく投げることもなくひたすら逃げてる…。



なんか健気でかわいいな。



結局小糸ちゃんのクラスは負けで終わった。



小糸ちゃんが俺のところにトタトタと駆け寄ってきた。



「おつかれ~」

「先輩! 負けちゃいましたー」

「いっぱい逃げたのにね~」



言いながら小糸ちゃんの頭をよしよしする。



小糸ちゃんはにこにこしてる。



かわいいね~。



「明莉ちゃんおつかれ!」

「へへ、すぐ当てられちゃいました」

「痛くなかった?」

「ぜんぜん大丈夫です!」



穂高と明莉ちゃんも楽しそうだ。



それからお昼の時間になったので小糸ちゃんと一緒に誰もいない空き教室に行った。



普段お昼ご飯は一緒に食べないけどたまにはね。



穂高と明莉ちゃんも一緒に食べるらしい。



「先輩きょう大活躍でしたね」

「小糸ちゃんもね」

「…馬鹿にしてます?」

「してないよ、めっちゃ逃げててすごいなあって」

「やっぱ馬鹿にしてる!」



小糸ちゃんがむぅっとした。



俺はそんな小糸ちゃんがかわいいからヘラヘラと笑った。



「小糸ちゃんのお弁当おいしそ~。卵焼き交換しよ」

「いいですよ」



小糸ちゃんが俺のお弁当の蓋に卵焼きを乗せてくれる。



俺は自分の卵焼きを小糸ちゃんに差し出す。



「はい、あーん」

「…」



小糸ちゃんがちょっと恥ずかしそうに食べる。
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