好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
っていうかからかわれてるな、これ…。



あたしは小さくなった。



そして始まった試合。



やっぱり風里先輩がかっこいい!



心臓がドキドキしちゃうくらいにはかっこいいよ~…。



って、同じクラスの女子何人かも先輩のこと「かっこいい」っていう目で見てるじゃん!



「あんなのと付き合ってる鶴巻ってすご…」

「あんなの呼ばわりしないで…」

「いやいや、かっこよすぎるでしょ」



そうだよね。



かっこよすぎるよねえ!?



先輩が得点を入れるたびに内心ときめいて。



クラスのみんなはそのたびに「ああ~…」って落胆の声が上がってたけど。



ごめんねみんな…。



結果、先輩のクラスの勝ち!



「わ~い!」



と、一人喜んだら周りからじとっとした目で見られた。



あっ…。



やっちゃった…。



あたしは小さくなりながら試合終わりの先輩のところに走った。



「おつかれさまです!」

「応援ありがと~。なんか周りからすごい目で見られてなかった?」

「はい…」



風里先輩がアハハと笑ってあたしの頭をよしよしと撫でた。



へへ…。



それから風里先輩は次の試合でも勝ちあがってバレー部門で優勝してた。



すごーい!



スポーツする先輩にめちゃくちゃキュンとして。



こんな素敵な人があたしの彼氏なのかと、改めて夢みたいだった。



「小糸ちゃん帰ろ~」



すべての試合が終わって、教室に迎えに来てくれる先輩に走り寄った。



ああ、さっきの試合を見てた女子たちの熱いまなざしを感じる…。
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