好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
『おはよ~』

『おはようございます!』



一日のはじまりは先輩との挨拶からはじまる。



それだけでも十分嬉しいはずなのに。



欲張りだな、あたし…。



『今日は何するの?』

『今日は家で宿題やります!』

『じゃあうちでしたら?』

『いいんですか? 行きます!』



わーい!



意気揚々と荷物をまとめて先輩の家まで歩いて行った。



途中で結くんに会う。



「おー、小糸」

「結くん」

「どこ行くんだ?」

「風里先輩の家で宿題~」

「ふーん…。もう俺ん家には来ねえのな、ちょっと寂しいわ」



そういえば毎年結くんの家で宿題してたな…。



そうだよね、結くんからしたら寂しいかもね…。



「またお母さんいるときとか行くよ」

「ん」



結くんと別れた。



先輩は結くんと遊ぶななんて言わないけど、先輩の気持ち考えたらやっぱりちょっと気は引けちゃう。



こんな風に考えて結くんにも申し訳ないけど。



だって結くんにとってもあたしはただの幼馴染なのにね。
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