好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
家に帰ったら母さんが父さんの膝枕で仲良く一緒にテレビを見てた。



「おかえり~」

「ただいま」



詳しく知らないけどこの2人は幼馴染から付き合ってるんだよね…。



「2人っていつから付き合ってるんだっけ」

「なによ急に、恋バナ?」

「いや…なんかふと気になって」

「付き合ったのは…あたしが高2のときかな?」



ふーん…。



っていうことは結人くんと同じか。



「昔からお互いのことちょっと好きだったの?」



俺がそう言うと、母さんと父さんは顔を見合わせた。



父さんが俺に顔を向ける。



「本当にどうしたの? 恋する乙女みたいな…」

「やっぱ俺変?」

「うん、ちょっと」



やっぱ変か…。



自分の中の独占欲くんが元気なんです…。



「俺たちは元々全くお互い恋愛対象とかあり得なかったよ。気にし始めたのは急にって感じかも」

「そう…」



でも今日の結人くんは普通に小糸ちゃん好きそうな感じだったよね。



小糸ちゃん、俺に対する感じと同じように結人くんに接するんだろうか。



やっぱモヤモヤ…。



俺のことだけ先輩として慕っててほしいと思っちゃう。



これは恋愛とかとは違うと思うけど…。



もし小糸ちゃんに恋愛感情をはっきりと向けられたら俺はどうするんだろう…。



妹だと思うけどなあ…。



「あんた恋でもしてんの?」

「してない!」

「親の恋愛話聞いてくるのなんて思春期の女子高生だけだよ」

「そんなことない…」



親にからかわれ始めたので逃げることにした。



聞かなきゃよかった!



実際親の恋愛話なんて本当はそんなに聞きたくないし…。
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