好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

修学旅行とエトセトラ

~小糸~

風里先輩が修学旅行に旅立った土曜日。



行先は京都奈良。



会えなくて寂しいけど、あたしはバイトを頑張ります。



あ、今日は先輩が気に入りそうなケイトウが入ってきてる。



買ってプレゼントしよう。



しばらく働いてたら、結くんがやってきた。



「おつかれ」

「なにか買いにきたの?」

「いや、小糸に修学旅行の土産渡そうと思って。何時に終わる?」



そっか、結くんもこの前修学旅行で京都奈良に行くって言ってたね。



「あと1時間くらいで終わるかな」

「おっけ。その辺で時間つぶしとくわ」



わざわざあたしにお土産用意してくれるなんて律儀だな~。



まあありがたいけど。



それから1時間バイトを頑張って、結くんがいる近くのカフェに入った。



「結くーん」

「お、来たか」

「来たよ」

「飯食ってく?」

「いいけどあんまり遅くなりたくない」

「珍しいな」



だって夜は先輩から電話が来るんだもん。



何時に来るか分からないから早めに家で待機しておきたい。



市川さんが来てる日だけど、自分の部屋にこもるもんね。



結くんと場所を移動してファミレスに入った。



「ん、これ」



結くんから袋を渡される。



「ありがとー!」



開けてみると、生八つ橋。



あたしの好きな抹茶味。



さすが結くん、あたしの好みを抑えてるね。
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