好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~
『いやとかじゃなくて、明莉も気になってるラーメン屋さんらしくて! ちょうど良いかなあって。それでせっかくなら4人でどうかなと思ったりしました』



明莉の気持ちは伏せておこう。



勝手に言えないもんね。



先輩はしばらくしてから『分かった…。穂高にも声かけてみる…』と返事してくれる。



嫌そう…。



そんな嫌がるとは…。



『念の為聞くけど、穂高が目当てとかじゃないよね…?』

『!? あり得ないです』

『分かった…』



まあ穂高先輩を呼び出す口実だからある意味穂高先輩目当てだけど…。



風里先輩の独占欲が強いのは昨日よく分かったからあんまり刺激しないでおこう…。



ていうかこんな嫌がるなら普通に申し訳ないな…。



でも友達のためだもん。



先輩、ごめんなさい。



また2人で遊びましょう。



そして放課後になった。



先輩は私服で校門のところまで来てくれていて。



「先輩! 来てくれたんですか!」

「ちょっとでも長くいたいからね」



こうやって甘い言葉をたくさんかけてくれるんだ…。



ハマらずにはいられないよ、こんなの…。



明莉は先輩にぺこっとお辞儀する。



「突然なのにあたしまですみません!」

「いいよ〜。ラーメン、みんなで食べた方が美味しいからね」



そう言ってくれる先輩に感謝…。



「先輩、穂高先輩は?」

「…穂高は現地集合だけど、本当に穂高目当てじゃないんだよね?」

「違いますって…」



先輩、穂高先輩に嫉妬するのはさすがにナンセンスです。



あたしは穂高先輩には全然興味ないです。



まあ嫉妬されるのは嬉しいけど…。
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