好きって言ってよ ~先輩、溺愛しすぎですっ~

もっと深く

~小糸~

穂高先輩と3人で登校した日の朝。



「小糸ちゃん、おはようっ」



ちょっと遅く来た明莉が、まっすぐあたしの席にやってきた。



「おはよう~」

「ねえ、見て、これ…」



見せられたのは、穂高先輩とのチャット。



既読が付かないようにあたしに見せてくる。



『25日って何か予定ある? もしお互い暇なら一緒に何かしない?』



おおお!



クリスマスのお誘いだ!



「これってあたしとクリスマス過ごしたいって意味かなあ…」

「絶対そうだよ!」

「でもでも、そうだったらもっとはっきり言わない? 『お互い暇なら』って言ってるし…。最近仲良くしてくれてる延長でとりあえず誘ったみたいな…」

「うーん…。でもわざわざクリスマスにするかなあ?」

「とりあえずクリスマスの予定は埋めるように保険とか…」



うーん…。



穂高先輩ってなんか軽そうだからなあ…。



どう思ってるかよく分からないな…。



「風里先輩に探り入れてみようか?」

「う~ん…。ありがたい…けど、それが穂高先輩に伝わったらなんか気まずいかも…」



そうか…。



風里先輩なら大丈夫だと思うけど。



本人が嫌がってるからやめておこう。



「あっ」



明莉が突然声を出した。



「えっ、なに?」

「既読つけちゃった…」



手がすべって既読をつけちゃったらしい。
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