雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
「そうなんだ。可愛いね」

一瞬、耳を疑った。悠翔さんが私に可愛いと言った。
いや、さすがに聞き間違いだ。悠翔さんがそんなことを言うはすがない。

「え?えっと…、その…、可愛いですかね?」

「うん。可愛いよ。お酒がそんなに強くないけど、お酒が好きなんて可愛いじゃん」

悠翔さんの思う可愛いの基準が私にはよく分からないが、悠翔さんの中で私は可愛いの基準を満たしているみたいだ。
嬉しいような、恥ずかしいような…。私としてはお酒が強い人達の方が羨ましかった。

「そうですかね?私はお酒が強い人が羨ましいです。色んな種類のお酒が飲めることに憧れちゃいます」

「それじゃ俺と一緒に飲めるお酒の種類を増やしてみるのはどう?」

悠翔さんと一緒に…。それなら飲めるお酒の種類が増えそうだ。

「いいですね。是非、ご教授をお願いします」

「そんな大それたことではないけど、俺は奈緒よりはお酒が飲めるから、一緒に飲んでいるうちに飲めるお酒の種類も増えると思うよ」

私からしたら大それたことだ。様々な種類のお酒を飲めるというだけでお酒の先生である。

「是非、悠翔さんから色々教わりたいです」

「分かった。俺の方で奈緒に合うお酒を探してみるな」

悠翔さんが私のためにお酒を探してくれるみたいだ。
早く悠翔さんと晩酌したい。より楽しみになった。

「楽しみにしてますね」

そんなタイミングで玄関のチャイムの音が鳴った。
悠翔さんがソファから立ち上がり、インターフォンで対応してくれた。
どうやら注文していたデリバリーが届いたみたいだ。

「奈緒、デリバリーが届いたぞ」

悠翔さんが玄関まで取りに行ってくれた。
リビングのダイニングテーブルの上に注文したデリバリーを置いてくれた。
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