雨はまだ降り続いている…〜秘密の契約結婚〜
「そうだったんですね。これまでも上手く誤魔化すことができたので、今回も大丈夫ですよ」

そうだと思いたい。そうなればいいなという願いもある。

「多分大丈夫だと思う。でもあいつ勘が鋭いから油断は大敵だ」

そんなことを聞いてしまえば、絶対に油断なんてできない。悠翔さんのお友達に私達の関係がバレるわけにはいかない。

「そうなんですね。油断しないように頑張ります」

「自然体でいいからな。身構え過ぎると逆に怪しまれるぞ」

確かにそうかもしれない。悠翔さんの言う通り、身構え過ぎたら逆に不自然だ。
油断してボロを出さない程度に自然体でいればいい。そう思ったら少し気が楽になった。

「確かにそうですね。身構え過ぎても怪しいですよね」

「奈緒は奈緒のままでいいんだよ。あとは俺に任せて」

悠翔さんにそう言ってもらえたので、あとは悠翔さんに任せることにした。

「それじゃ悠翔さんにお任せしますね」

「おう。任せろ」

悠翔さんのお陰でなんとかなりそうな気がした。あとは当日を迎えるだけだ。

「悪いけどよろしくな。友達には大丈夫って返事しておく」

悠翔さんの友達に会うのは緊張するけれど、悠翔さんと一緒なら乗り越えられそうだ。
無事に乗り越えられることを願って、今は当日を迎えるのを待つことにした。


           *


悠翔さんにお友達を呼ぶと聞いてから数日後のことだった。

「奈緒、ごめん。なんとかすると言っておきながら申し訳ないんだが、奈緒にお願いがある」

「お願い…ですか?」

「友達が奥さんの手料理が食べたいって言ってて。当日、奈緒に手料理を振る舞ってもらっても構わないか?」

お願いなんて言うからどんなお願い?と身構えてしまったが、料理だったら問題ない。

「大丈夫ですよ。どんな料理を振る舞えばいいですか?」

一般的な家庭料理でいいのであれば問題ないが、あまり作ったことがない料理だとそれなりに練習が必要となる。
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