獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
「音痴のなあちゃんすごい可愛いじゃん」

「輝くんの可愛い基準が未だにわからないよ」



こうも癖強を出されてしまうと、さすがの私も疲弊してくる。

そもそも、隼太くんが真面目に私の質問に答えてくれれば、こんなに悩むことがなかったのだ。


───遡ること数日前



「隼太くんって何もらったら嬉しい?」

「七瀬」

「あの、違うくて…物とか色々あるじゃん」



最近では、自分部屋があるにもかかわらず、隼太くんの部屋に住みついている。


何故かって、ベッドとサイドテーブルしかなかった彼の部屋は、見間違えるほど本で埋め尽くされていた。

小さな書店より本があると思う。


理由は、私が本好きなの知っているから、隼太くんを含む鳳凰の皆がプレゼントしてくれるのだ。


そして、隼太くんは…


「本をお前の部屋に置くのは絶対なしね。俺の部屋使っていいから」

「え、でも邪魔になるんじゃない…?」


ミニマリストだとその時は思っていたから、隼太くんの部屋に置くのは気が引けていた。




「だって、俺の部屋に置けばお前はずっとここにいてくれるでしょ?」


なんて、顔色ひとつ変えずに言う隼太くん。


そんなことを思い出して、あれ?私っていつもわがまま聞いてもらって与えられてばかりなことに気づいた。

そして、隼太くんのお誕生日は、盛大にお祝いしたい!
< 152 / 160 >

この作品をシェア

pagetop