獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


***




ここは黒金区で、大きく北と南に分かれて暴走族が対立しているのは有名なはなし。


10月中旬の平日 pm20:00

真夏の猛暑もすっかり落ち着いて、肌寒く辺りは静けさに包まれる。


…わけでもなく、夜は暴走族が活動して相変わらず賑やかだ。



今日も変わらず暴走族が動き始める時間。




「七瀬ちゃん今日は遅くなっちゃってごめんね」



「全然!楽しかったので少しでも本達といれて良かったです」




私は繁華街にある小さな書店でバイトをしている。

小さい頃から本が大好きで、本の世界に入り込み空想するのが趣味。



人の出入りがたくさんあるわけではないため、人のいない時間はレジで本を読んでいる。

今日もいいお話に巡り会えて最高だった。




「じゃあお先に失礼します」




黒金区にある北高校の制服に着替えて寮へ向かう。
繁華街から寮へはさほど遠くなく、10分あれば着いてしまう距離。

───のはずだった。


< 2 / 160 >

この作品をシェア

pagetop