獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める
いつものように真っ直ぐ帰ると、私の前を人が横切る。
ただ歩いて、走ってならなんの問題もない。
今飛んできた…?
その証拠に横切った方向を見ると1人で起きれないくらいに、酷い傷を負って男が倒れていた。
「あの、大丈夫ですか!?」
「……」
ど、どうしよう。気を失ってる。
とにかくまず救急車呼ばないと!
震える手でダイヤル『119』を押そうとしたスマホは、誰かの手によって奪われた。
「おねーさん、ちょっと助け呼ばれちゃ困るかな」
「返してください!」
「おっと…簡単には返さないよ。その制服北高だよね?君が鳳凰の総長と“ベル”について教えてくれたらスマホは返すし、そいつにも何もしない」
スマホを返してもらおうと伸ばす手はスキンヘッドの男が、私が届かない位置まで上げたため空振ってしまう。