獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める


つ、着いちゃった…。

どうやって断ろうとか考えていたらいつもよりも時間があっという間で気づけば旧校舎の入口に入ろうとしている。



「3階がおれたちがいつもいるとこ。めんどくせーからエレベーター乗んぞ」



「う、うん」



「さっきまでキーキーうるさかったのに急に静かになるじゃん」



「だって…ここって立ち入り禁止の場所でしょ?みんなが入りたいって思ってる場所へ、あまり関心のない私が入るのは申し訳ないなって」



「いんだよ、おまえは“ベル”なんだから」




エレベーターが3階から1階へ降りてくるのを待ってる間に、私の緊張が伝わっちゃったのか、ここまで来るまで無言だった晴人くん急に話し出す。


…て、なんか聞き捨てならないような言葉が最後に聞こえた気がする。




「ちょっと待って、晴人くん」



「なんだよ、ほら来たから乗れ」



「その前に!私ってベル“候補”だよね?」


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