獣と呼ばれる冷酷総長はベルに真実の愛を求める














旧校舎をでて走って、気づけば隼太くんと初めて会った場所へ来ていた。




「どうしよう…わたしっ、心にないことを言っちゃった。 鳳凰を敵に回しちゃったんだ…」




ベルの役割が重荷になっていたのは嘘ではない。


毎日みんなに振り回されて、からかわれて恥ずかしい想いも沢山したけど嫌ではなかった。




自分では気づいてないうちに…ううん、とっくに気づいてたけど気づかないふりをしてただけ。




「隼太くんが好き…」




だから、自分の目で見て判断して獣じゃないと信じていたからいざそうなった時に裏切られたと思ってしまった。



本当に好きなら、自分が見えてなかった部分を見てもそこを含めて信じるのに…。



動揺して、ひどいことを言って罪悪感でベルを辞退した。



「なら、一緒に帰るよ」


「颯くん…それはベルを辞退したから私を退学させるため?」


「なんでそうなるんだよ、俺たちがいつやめていいって言った? まだ継続中なんだけど」


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