救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 ルーファスにそう止められて、サブリナは一旦引き下がった。彼はラディアント伯爵家で雇われている御者と護衛騎士二人を解放し、これからどうするべきかを指示しているようだ。

(もう駄目。黙っていられないわ。私の……私たちの勝手で、ルーファスをこのまま利用してしまうなんて……無理よ)

 一度芽生えてしまった罪悪感は抑えきれずに、サブリナは何度か息を整えた。

 それに、ここまでに築いたルーファスとの関係も悪いものではなかった。だから、きっと話せばわかってくれると考えたのだ。

「ルーファス」

「……サブリナ。帰ろう。ここに居る男たちは、僕が騎士を一人王都に飛ばしたから、彼が騎士団を連れて戻ってくるはずだ」

 サブリナが思い悩んでくれている間に、ルーファスはこの場をどうすべきかという算段を整えてくれていたらしい。

「ルーファス。私は貴方とこれまでに、一度も会ったことのない……他人なんです。きっと、誰かと私を勘違いされています」





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