救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
(国を救って欲しいから……ああ。たくさんの命が掛かっているからと、私はルーファスを利用している。何かを勘違いしていると言うのなら、私はそれを正すべきなのに……)

 ルーファスは悲しい過去を持っている。もしかしたら、それを癒やしてくれた、素敵な女性と間違えているのかもしれない。

「サブリナ……心配することはない。すぐに治る。そんな悲しい顔をしないで」

 その言葉の通り、矢傷はすぐに塞がった。綺麗な肉が浮き出て、滑らかな肌が覆う。

「けど……血がこんなに……」

(けどっ……けれど、流れた血は、私を救うために流したものだわ……私が、お願いしたから)

 地面に流れている血は、まぎれもなくサブリナのために流されたものだ。

 ルーファスはサブリナのために、長い時間を掛けてアシエード王国を救う。彼女のためなら身を挺して守ってくれる。

 すべては、サブリナと誰かを間違えてしまったせいで。

「ルーファス……あの、ルーファス」

「何? サブリナ。何か話があるなら、一度、邸に帰ってから聞こう。彼らに色々と頼むこともあるあから」

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