救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
 その間、ルーファスが滞在する邸が必要になる。王家の森は禁漁区で、ほぼ人の出入りはない。すぐ近くに小さな村があるが、それは畑を作ったり工芸品を作ったりして生活しているらしい。

 だが、自然が好きな変わり者が王家の森近くに別邸を建てていて、また都合の良いことに、まだ使用していず家具調度は真新しいという。

 フレデリックはその邸の情報を聞きつけ、すぐに使用出来るように家具ごと言い値で購入し、清掃のためラディアント伯爵家の使用人を何人も向かわせていた。

 ルーファスが引き受けてくれた理由となる娘サブリナのこともあり、国王に世話を任されている父は、寝る間を惜しんで忙しなく動き回り準備を整えていた。

 そして、翌日の夕方には城で休んでいるというルーファスを迎えに行く段になり、当然のごとく娘サブリナにも同行するようにと伝えた。

「……良いな。サブリナ。絶対に大魔法使いルーファス様の機嫌を、決して損ねてはいけない。彼の気分に、我らの命は掛かっているのだ」

「はい……」

 父よりこれまでに再三言い含められているサブリナは、その言葉に大人しく頷くしかなかった。

< 22 / 164 >

この作品をシェア

pagetop