救う気ゼロの大魔法使いは私だけに夢中。~「迎えに来るのが遅くなってごめんね」と助けてくれた見知らぬ美形に話を合わせてみたら~
「魔物大暴走(スタンピード)を起こして、得をする人……ですか」

 複雑な魔法解析も出来てしまうルーファスでも、何が目的かという動機が思いつかないと言う。だとしたら、サブリナにはとても思いつかないような、人物の犯行なのかもしれない。

「まあ……それを考えるのは、魔界の門が、完全封印が出来てからにしよう。サブリナは行ってみたい場所はあるかい?」

「……え? 行ってみたい場所、ですか?」

 ルーファスから唐突に行ってみたい場所を聞かれて、サブリナは戸惑った。

「ああ。何処でも良いよ。今ここで、言ってみてくれないか」

 ルーファスはすましてお茶を飲みつつ頷いたので、サブリナは暫し考えた上で、思い浮かんだその場所を口にした。

「……亡くなったお母様と……良く海を見に行った場所なのですが、ラディアント伯爵領にある砂浜に行ってみたいです」

 サブリナがそう口にしてすぐに、潮の香りがして、見える光景が変わっていることに気が付いた。

「ああ……確かに綺麗だね。美しい景色が見える」

 ルーファスは足を組み替えて、優雅にそう言った。

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