リアル・アクション・アプリ
そして大きく目を見開く。
「花子……?」
「お母さん」
五十嵐花子が女性へ向けて両手を差し出す。

女性はヨロヨロと立ち上がってその手を握りしめた。
その瞬間だった。

五十嵐花子の顔が般若のように歪んだのだ。
「よくも私を使って呪いをかけたな!!」
さっきまでの澄んだ声とは違う、地響をともなくような低い声だった。

その声には強い怒りがこもっている。
「それは、あなたのためを思って!」
「許さない! 何年もこんなところに閉じ込めて、私を苦しめた!」

「そんな……!」
母と子の思いは同じではなかった。
五十嵐花子はここから開放されたかったんだ。

「お母さん、私と一緒にいこう」
五十嵐花子はそう言うと女性の体を抱きしめた。
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