リアル・アクション・アプリ
そのたびにツインテールが左右に揺れて甘い香りが鼻をくすぐった。
「ちょっとしか興味でな。でもお前たち今はスマホの電源を落としてないとダメだろう?」

腰に手を当てて注意してくる姿は途端に厳しい先生だ。
「でも先生。スマホの電源を落としてない生徒って俺たちだけじゃないと思うけど」

「門口、それは屁理屈だぞ」
「屁理屈でも、事実は事実です」
昇にズバリ言われて菅原先生もたじたじだ。

最終的には「今回だけは許す」という形になったみたいだ。
モタモタしていたら、先生だって時間切れになってしまう。

「今回は6人いるから、3人ずつでグラウンドを一周して、残り3人が撮影しようか」
中条先輩が手際よく仕切っていたときだった。

教師用昇降口から女性教師が出てきて「菅原先生。電話ですよ!」と、声をかけてきたのだ。
今から走るつもりでいた菅原先生はストレッッチを途中で止めて頭をかいた。

「すまない。今回は参加できそうにないな」

「そんな! 先生が電話から戻ってくるの待ってますよ?」
美術教師の菅原先生が走る姿はめったに見られない。
美穂はすがるような視線を向けている。
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