リアル・アクション・アプリ
☆☆☆
翌日の朝になるとお母さんとお父さんも美穂がいなくなったことを知ることになった。
美穂は昨日家に帰らなかったみたいで、それもまた学校から家に連絡が来ていた。
先生たちは同じクラスの生徒の家にだけ連絡することに決めたらしい。
「美穂ちゃんと最後まで一緒にいたんでしょう? なにか知っていることはないの?」
もう、そんなことまで知っているんだ。
すっかり食欲がなくなった状態で湯気を立てているお味噌汁に視線を落とす。
「わからない。美穂、急に悲鳴を上げて走り出したの。すぐに追いかけたけど、すごい速さで追いつけなかった」
「だけど美穂ちゃんって子はそんなに運動が得意じゃなかったんだろ? それなのに捕まえられなかったのか?」
お父さんが不審そうな表情を向けてくる。
私を疑っているのではないかと思って、背中に汗が流れていく。
「そうなんだけど、昨日はなんか、違ったから」
本当に美穂に追いつくことができなかった。
美穂はなにかから逃げていて、だから追いつけなかった。
でも、それを言うことはできなかった。
美穂がなにを見てなにから逃げたのか、私には説明できなかったから。
翌日の朝になるとお母さんとお父さんも美穂がいなくなったことを知ることになった。
美穂は昨日家に帰らなかったみたいで、それもまた学校から家に連絡が来ていた。
先生たちは同じクラスの生徒の家にだけ連絡することに決めたらしい。
「美穂ちゃんと最後まで一緒にいたんでしょう? なにか知っていることはないの?」
もう、そんなことまで知っているんだ。
すっかり食欲がなくなった状態で湯気を立てているお味噌汁に視線を落とす。
「わからない。美穂、急に悲鳴を上げて走り出したの。すぐに追いかけたけど、すごい速さで追いつけなかった」
「だけど美穂ちゃんって子はそんなに運動が得意じゃなかったんだろ? それなのに捕まえられなかったのか?」
お父さんが不審そうな表情を向けてくる。
私を疑っているのではないかと思って、背中に汗が流れていく。
「そうなんだけど、昨日はなんか、違ったから」
本当に美穂に追いつくことができなかった。
美穂はなにかから逃げていて、だから追いつけなかった。
でも、それを言うことはできなかった。
美穂がなにを見てなにから逃げたのか、私には説明できなかったから。