君とのアオハル





 我に返ると、彼は頬をほんのり赤く染めていた。

 かかか、可愛い!

 生徒会長の意外な一面を見たかもしれない!

 照れるとこんなに可愛くなるとは……。



「天宮さんは、僕よりもすごく優しいですよ……」



 ボソリと呟くと、彼は何か眩しいものでも見るように目を細めた。

 それがなんだか切なくて、胸が締め付けられる。

 何か言わないと。

 でも、言葉が思いつかなくて、お互い無言になってしまう。



「僕の事、如月くんじゃなくて、恋雪って呼んでください」



 先に沈黙を破ったのは、彼だった。



「じゃあ、恋雪くん。私のことも、雛って呼んでよ!」



 いつの間にか、私はいつも通りの口調になっていた。

 さっきまでは、敬語を使っていたのに。

 多分、恋雪くんの親やすさのおかげかもしれない。

 恋雪くんは戸惑った風に瞬きしていると、やがて微かに聞こえる小さい声を出した。



「雛……さん?」

「なんで疑問形なの?」



 そんなにかしこまることはないのにな。

 だって私達、同い年だし。



「僕にはこれで十分ですよ」



 苦笑いを浮かべている恋雪くんに、私は不満ではあったけど頷いた。





< 14 / 17 >

この作品をシェア

pagetop