君とのアオハル
「雛さん、お願いがあるんです」
その真剣な目で見られて、頷くしかなかった。
彼は一息つくと、さらに私の手を強く握った。
「このことを、他の人には秘密にしてもらえませんか?」
え、なんで?
他の人にわざわざ教えるようなことではない。
でも、いつも海くんと一緒に帰っているから、事情を話して先に帰ってもらわないといけない。
「私、一緒に帰っている人がいるから、その人には事情を言わないといけないんだよね。だから、ちょっと難しい……かも」
「そこをなんとか」
なんとかも言われましても。
「僕がここにいるって知られたら、色んな人が来るんですよ。そしたら、居心地悪くなってしまうんです!」
あまりの必死さに、断るのが辛くなってきた。
でも確かに、恋雪くんはイケメンだから、もし他の人にバレたら女子達が殺到しちゃいそうだ。
バレンタインなんて、ダンボールが必要になるくらいたくさん貰っちゃってるし。
「分かった」
そう言うと、恋雪くんは安堵の息を溢した。
そんなに心配だったんだ。
さっき断ったのが申し訳ないな。