神殺しのクロノスタシス7〜前編〜
side羽久
ーーーーーー…ジュリスとベリクリーデが、ファニレス王宮の俺とシルナのもとに駆けつけてくれ。
ジュリスの案内で、俺とシルナは暖炉の中の隠し通路を使って、客室を抜け出した。
客室の中にこんな隠し通路があるなんて、全然気づかなかった。
誰も暖炉の中に潜り込もうとはしないだろう。
お陰で、俺達は気づかれることなく、井戸の底まで辿り着いた。
「ひぇっ…。い、井戸の底…」
シルナは井戸の底から空を見上げて、露骨にビビっていた。
そりゃまぁ、気持ちは分かるけどさ。
「ビビってる場合じゃないぞ。ここを登るんだ」
「こ、ここを…?」
「あぁ。ほら、ロープを掴んで」
ジュリスが、俺達を促した。
「俺は良いとして…。この高さは、老体のシルナにはキツいな…」
「酷い!私だってロープを登るくらいでき…で、でき…る、よ。…多分…」
自信なくしてんじゃん。
「あ…明日は筋肉痛かな…」
「…」
目が泳いでるぞ。
「…やれやれ、ったく」
ジュリスは呆れたようにそう言って、杖を取り出し、それをシルナに向けた。
え?
「yravitg」
ジュリスが、シルナに対して魔法をかけた。
見た目には、何も変化がないように見えるが…。
「おっ…!」
「どうだ。それで少しは軽くなっただろ」
ジュリスが何をしたのか分かった。
重力魔法である。
重力魔法で、シルナの身体を軽くしてくれたのだ。
これは一時的なものだが、これなら、運動不足の老体シルナでも、井戸から這い上がることくらいは出来るだろう。
ジュリス、ナイス。
「羽久が私に失礼なことを考えてる気がするけど…。ありがとう、ジュリス君…!」
「そんなことは良いから。気をつけて登れよ」
「う、うん」
そう言ってくれる、気遣いは嬉しいが。
「ジュリス、ベリクリーデ、お前達はどうするんだ?」
俺とシルナを逃してくれようとしてくれてるのは、よく分かる。感謝もしてる。
だけど俺はそれよりも、この後のジュリス達の身の振り方が気になった。
俺達だけ逃げる訳にはいかないだろう。…どう考えても。
「お前達も一緒に来るんだろ?」
「…いや。俺達は、まだ行けない」
ジュリスは首を横に振って、そう言った。
…やっぱり。
そんなこと言い出すんじゃないかと思った。
ジュリスの案内で、俺とシルナは暖炉の中の隠し通路を使って、客室を抜け出した。
客室の中にこんな隠し通路があるなんて、全然気づかなかった。
誰も暖炉の中に潜り込もうとはしないだろう。
お陰で、俺達は気づかれることなく、井戸の底まで辿り着いた。
「ひぇっ…。い、井戸の底…」
シルナは井戸の底から空を見上げて、露骨にビビっていた。
そりゃまぁ、気持ちは分かるけどさ。
「ビビってる場合じゃないぞ。ここを登るんだ」
「こ、ここを…?」
「あぁ。ほら、ロープを掴んで」
ジュリスが、俺達を促した。
「俺は良いとして…。この高さは、老体のシルナにはキツいな…」
「酷い!私だってロープを登るくらいでき…で、でき…る、よ。…多分…」
自信なくしてんじゃん。
「あ…明日は筋肉痛かな…」
「…」
目が泳いでるぞ。
「…やれやれ、ったく」
ジュリスは呆れたようにそう言って、杖を取り出し、それをシルナに向けた。
え?
「yravitg」
ジュリスが、シルナに対して魔法をかけた。
見た目には、何も変化がないように見えるが…。
「おっ…!」
「どうだ。それで少しは軽くなっただろ」
ジュリスが何をしたのか分かった。
重力魔法である。
重力魔法で、シルナの身体を軽くしてくれたのだ。
これは一時的なものだが、これなら、運動不足の老体シルナでも、井戸から這い上がることくらいは出来るだろう。
ジュリス、ナイス。
「羽久が私に失礼なことを考えてる気がするけど…。ありがとう、ジュリス君…!」
「そんなことは良いから。気をつけて登れよ」
「う、うん」
そう言ってくれる、気遣いは嬉しいが。
「ジュリス、ベリクリーデ、お前達はどうするんだ?」
俺とシルナを逃してくれようとしてくれてるのは、よく分かる。感謝もしてる。
だけど俺はそれよりも、この後のジュリス達の身の振り方が気になった。
俺達だけ逃げる訳にはいかないだろう。…どう考えても。
「お前達も一緒に来るんだろ?」
「…いや。俺達は、まだ行けない」
ジュリスは首を横に振って、そう言った。
…やっぱり。
そんなこと言い出すんじゃないかと思った。