神殺しのクロノスタシス7〜前編〜
side令月
ーーーーー…丁度その頃。
学生寮付近で行われていた戦闘も、そろそろ決着がつきそうだった。
「くっ…!」
「遅いよ」
僕の小太刀の刃が、またしても敵上級魔導師の身体に届いた。
肘から下の部分を、スパッ、と切り裂いた。
敵魔導師の血が宙を舞う。
…切り落としてやるつもりだったのに、身を捻って避けたか。
それくらいの余裕は、まだあるらしい。
だけど…僕の刃が届き始めた。
そろそろ蹴りがつきそうだ。
「この…薄汚い、暗殺者が…!」
「君はそれしか言えないの?」
口程にもない、とはこのことだよ。
確かにさっき、僕はこの人の風魔法に吹き飛ばされ。
おまけに学生寮の壁にぶつかって、痛い思いをしたけど。
でも、今は既に形勢が逆転している。
僕と『八千歳』が組んでいるのだから、当然と言えば当然である。
敵にとっては、この状況は明らかに想定外だったようだ。
子供相手。ジャマ王国の薄汚い元暗殺者。
しかも、ろくに魔法さえ使えない僕に、良いようにやられるのは、プライドが許さないのだろう。
敵は絶対に、自分の不利を認めなかった。
それどころか。
「ちょこざいな…!喰らえ!」
不利になった戦局を打開しようと、彼女は再び、強烈な風魔法を飛ばしてきた。
これに当たったら、僕はまたしてもふっ飛ばされるところだ。
しかし、僕は避けなかった。
避ける必要がないからだ。
何故なら、敵の風魔法よりも、『八千歳』の糸の方が速い。
『八千歳』は糸を伸ばし、僕を上空に弾き飛ばした。
敵の風魔法は、文字通り空を切った。
「っ、避けた…!?っ…!!」
僕は小太刀を振りかぶり、落ちてくる勢いのまま小太刀を振るった。
敵は避けようとしたけれど、避けきれず、再び身体に刀傷を作った。
「うぅっ…!い、痛い…!」
ちょっと切れただけなのに、大袈裟な。
「こんな…私にこんなことをして、許されると思うな!」
「知らないよ、そんなこと」
君が何者かなんて、僕にとってはどうでも良い。
これは戦いなんだから、命の奪い合いなんだから。
過程なんてどうでも良い。最後に立ってた者が勝ち。生き残った方が勝ちなのだ。
「さっきまでの余裕はどーしたのさ?薄汚い暗殺者に、良いようにやられちゃってるけど」
『八千歳』が、再び両手に糸をひゅんひゅんと絡ませた。
「それとも、良いのは威勢だけなのかな?」
煽っていくスタイル。
だけど、これは敵を馬鹿にしているのではない。
『八千歳』の戦略だ。
挑発して、冷静さを失わせる。
冷静さを失えば、敵の行動はより単純になり、より読みやすくなる。
敵の攻撃を絡め取り、糸の中に巻き取り、そして首を取る。
『八千歳』の、暗殺者としての策略だった。
学生寮付近で行われていた戦闘も、そろそろ決着がつきそうだった。
「くっ…!」
「遅いよ」
僕の小太刀の刃が、またしても敵上級魔導師の身体に届いた。
肘から下の部分を、スパッ、と切り裂いた。
敵魔導師の血が宙を舞う。
…切り落としてやるつもりだったのに、身を捻って避けたか。
それくらいの余裕は、まだあるらしい。
だけど…僕の刃が届き始めた。
そろそろ蹴りがつきそうだ。
「この…薄汚い、暗殺者が…!」
「君はそれしか言えないの?」
口程にもない、とはこのことだよ。
確かにさっき、僕はこの人の風魔法に吹き飛ばされ。
おまけに学生寮の壁にぶつかって、痛い思いをしたけど。
でも、今は既に形勢が逆転している。
僕と『八千歳』が組んでいるのだから、当然と言えば当然である。
敵にとっては、この状況は明らかに想定外だったようだ。
子供相手。ジャマ王国の薄汚い元暗殺者。
しかも、ろくに魔法さえ使えない僕に、良いようにやられるのは、プライドが許さないのだろう。
敵は絶対に、自分の不利を認めなかった。
それどころか。
「ちょこざいな…!喰らえ!」
不利になった戦局を打開しようと、彼女は再び、強烈な風魔法を飛ばしてきた。
これに当たったら、僕はまたしてもふっ飛ばされるところだ。
しかし、僕は避けなかった。
避ける必要がないからだ。
何故なら、敵の風魔法よりも、『八千歳』の糸の方が速い。
『八千歳』は糸を伸ばし、僕を上空に弾き飛ばした。
敵の風魔法は、文字通り空を切った。
「っ、避けた…!?っ…!!」
僕は小太刀を振りかぶり、落ちてくる勢いのまま小太刀を振るった。
敵は避けようとしたけれど、避けきれず、再び身体に刀傷を作った。
「うぅっ…!い、痛い…!」
ちょっと切れただけなのに、大袈裟な。
「こんな…私にこんなことをして、許されると思うな!」
「知らないよ、そんなこと」
君が何者かなんて、僕にとってはどうでも良い。
これは戦いなんだから、命の奪い合いなんだから。
過程なんてどうでも良い。最後に立ってた者が勝ち。生き残った方が勝ちなのだ。
「さっきまでの余裕はどーしたのさ?薄汚い暗殺者に、良いようにやられちゃってるけど」
『八千歳』が、再び両手に糸をひゅんひゅんと絡ませた。
「それとも、良いのは威勢だけなのかな?」
煽っていくスタイル。
だけど、これは敵を馬鹿にしているのではない。
『八千歳』の戦略だ。
挑発して、冷静さを失わせる。
冷静さを失えば、敵の行動はより単純になり、より読みやすくなる。
敵の攻撃を絡め取り、糸の中に巻き取り、そして首を取る。
『八千歳』の、暗殺者としての策略だった。