神殺しのクロノスタシス7〜前編〜
「うん、それ僕も気になってた」

と、令月。

「お前達…。ナジュが『アメノミコト』に捕まってたこと、知らなかったのか?」

「捕まってたの?不死身先生。なんで?」

「僕の読心魔法が目当てだったそうですよ」

「へぇ」

…そうだったのか。

それじゃあ令月とすぐりは、ナジュが同じ『アメノミコト』のアジトの中にいたことも知らずに…。

鬼頭夜陰に、良いように利用されていた訳だ。

あいつ、今度会ったら覚えておけよ。

この借りは必ず返してやる。

「そっか。じゃあ、不死身先生…拷問受けたの?」

「まぁ、大したものじゃありませんでしたよ」

…嘘つけ。

残酷さと苛烈さで有名な、あの『アメノミコト』の拷問だぞ。

きっと、酷く辛い思いをしたに違いない。

「…」

「…ふーん…。…そう」

『アメノミコト』のやり口を知っている令月とすぐりは、それ以上詳しくは聞かなかった。

言わなくても、二人共分かっているに違いない。

…いずれにしても。

「…シルナ。これで終わりじゃないぞ」

シルナも分かってるはずだが。

「…うん。そうだね」

あの執念深い鬼頭夜陰が、これで済ませてくれるとは思えない。

それに…今、ジャマ王国で台頭しているという、『八岐の大蛇』という組織。

彼らの動向も気になる。

ジャマ王国のことはジャマ王国てま解決してくれよ、と思うが。

かの国で何か起これば、俺達も巻き込まれないとも限らない。

それにジャマ王国だけじゃなくて、アーリヤット皇国や、キルディリア魔王国のことも気になるし…。

「だけど…羽久。私達、みんないるよ」

そんな俺の不安を振り払うように、シルナが言った。

「この先のことは分からないけど、今、私達はみんな一緒にいるよ。令月君もすぐり君も、ナジュ君も取り戻して」

「…シルナ…」

「どんなことがあっても、羽久と、それからみんなが一緒にいれば、きっと大丈夫」

「…あぁ、そうだな」

その通りだ。

何があっても…これまでみたいに、今回みたいに、乗り越えていけるはずだ。

仲間達が一緒にいれば。

「みんなで帰ろう。…私達のルーデュニア聖王国へ」









すべての苦しみも、過去の痛みも、未来への不安も乗り越えて。

自らの居場所を、守り続ける為に。









END
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